関門プロデュース研究隊 隊長 富田です。
2017年夏にスタートした「関門時間旅行」プロジェクト、12月15日には2017年最後の番組中継をプラザホテル下関から行い、第1部の番組中継に続いて、そのままの場所で我々スタッフ・メンバーも入っての第2部「浪曲LIVE付パーティ」も行いました。ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました!

イベントであり研究会であり仲間が集う場「関門時間旅行」。
こんな集い、ありそうでなかなか無い。

奈々福さんの浪曲はもちろん素晴らしかったのですが、隊長富田としては、実にいろんなタイプの人が一同に集ってくれたことが何より嬉しく、とても感慨深かった〜。それはこの「関門時間旅行」というプロジェクトの軌跡そのものでありました。

Photo:田島利枝

一緒に走ってくれた初期からのコアメンバー、スタッフ、途中からドンドン自主的に加わってくれた新メンバー、企画や取材で関わりを持てた地元事業者の皆さん、何度も参加してくださっているお客さん(半分もうメンバーのようですが)、そして今回初めて参加してくれたお客さん・・・と、実にいろいろな人が2017年最後の現場に集ってくれたわけですが、こんな集いはありそうでなかなかありません。

よくあるのは、有名ゲストに集まるイベント。これは継続性はありません。次によくあるのは、知り合いばかりが集まる会。これでは発展性が乏しい。できればバランス良く、お馴染みさんもいて、何度めかのお客さんもいて、新規の人もいて・・・を繰り返すのが理想ですが、それはなかなか難しいということは、こうしたコミュニティイベントを企画したことがある人なら誰もが感じることでしょう。

ゲスト見たさだけでも知合いの付合いだけでもなく、みんなそれぞれ「何かの興味」から参加して、しかしだんだん「関門時間旅行」というプロジェクトへの興味を持って、自分なりにできることを探したり、継続的に参加してもらえる場が作れたことは、たいへん貴重な経験でした。皆さんホントにありがとうございました。

ではみんな「何」に興味を持ってくれているのでしょうか?

「それ」は、もしかしたらこのプロジェクトが示せた「関門の面白さ」ではないかと僕は感じています。

しかし、「関門の面白さ」といっても、これまでもたくさんの地元の皆さんが、「関門」の名を冠した魅力発掘プロジェクトに取り組んでおられます。関門プロデュース研究隊が関門時間旅行を通じて示せた新たな「関門の面白さ」なんて果たしてあるのでしょうか?

一日に海峡を渡る回数で「関門の旅の面白さ」はその濃さを増す

地元の人が中心になったプロジェクトは、当然ながら僕らよりも地域のことをよくご存知ですし、地域への愛も強い。その点かなうわけありません。
しかし、どうしても地元の人だけに「門司港(または門司)」と「下関」とを分けて考えてしまうことが多いのではないでしょうか。住んでる場所でこっちとあっちになるわけです。
その点、関門研は、隊長富田にも、ナビゲーターAnnaさんにも、宣伝部長の岩崎さんにも、歴史ザムライの小野さんにも、その地元意識がありません。何か面白いテーマを見つけたとしたら、それがあっちのことでもこっちのことでも良いんです。そして、当然ながら近いので、あるテーマで掘り下げていくとあっちにいったりこっちにいったり何度も行き来することがほとんど。

でも、実はそれこそが「関門の面白さ」のポイントなのではないかと感じるのです。

担当を分けて、こっちのことはこっちの人間が、あっちのことはあっちの人間が調べておく…ではこの面白さは完成しません。こっちの人もあっちの人も、何度も行ったり来たりして調べたり、聴いたり、飲んだり、食べたり、しないことにはこの「関門の面白さ」は体感できないのではないかと。

これまで実施した「関門時間旅行」では、いろいろなジャンルの目線の違うゲストを、僕とメンバーとであちこち連れていくのですが、どのゲストからも聴かれたのが「2日間の旅で海峡を5回渡って楽しかった!」みたいな言葉です。もっと渡った時もあったかもしれません。そして、「1日に海峡を渡る回数」が増えれば増えるほど、「関門の旅の面白さ」はその濃さを増していきます。

ゲストとの取材ルートを計画する時に、地元メンバーはずっとクルマで回ることを考えがちです。しかし、僕はクルマで全部回る計画は意図的に避けるようにしました。クルマで渡ろうとすると、関門トンネルも関門橋もかなり遠くからアプローチしなければなりません。当然めんどくさいので、なるべく行き来する回数を減らして「あっち」で巡るところと「こっち」で巡るところを分けようと考えます。場合によっては日を分けて「今日はこっち明日はあっち・・・」となってしまう。しかしこれではぜんぜん伝わらないのです、僕が感じる「関門の面白さ」が。

クルマを捨てよ海へ出よう

地元の、しかも普段クルマで動いている人は、いくらこう言ったところでクルマを置いていくスタイルはなかなか取れません。それは仕方ないし、それぞれの行政区で暮らし、仕事をし、家族を持ち、仲間を持っているのですから、そんなに1日に何度も海峡を行き来する必要はないわけで、だったらクルマで移動するのが便利なのはもっともです。

ただ、「観光」を考える時には敢えてクルマは置いておき、とにかく何度も海峡を渡ってみることをお勧めします。関門汽船は乗り放題券を買って、できるだけ船を中心に。それぞれ1度くらいは、電車や人道トンネルを入れて、クルマの関門トンネルは最も海峡を感じないので避けたほうが良いでしょう。

そうやって「観光客向け」にと思って何度も行き来していると、こんどは地元の人こそが気が付くのです。「関門の面白さ」に。

「関門時間旅行」に関わって、ゲストの反応もみながら、「この2日間で海峡を何回も行き来して楽しかった!」とニッコリされれば、旅人にとっての関門の魅力のツボがどこにあるのか否応無しに気がつきます。それは他でもない「海峡」に違いありません。

Photo:田島利枝

神社でも史跡でも、名建築や灯台めぐりも、グルメでも千ベロでも、アートでもエンタメでも、それと「海峡」とをセットにして考えて、1日のうちに何度も海峡を渡ってあっちに行きこっちに行きと繰り返してみれば、それこそ「関門ならではの面白い時間」であって、他の街の人が真似することが絶対にできない「海峡都市の魅力」です。その「両岸の近さ」と「両岸の遠さ(違い)」とを、何度も体感しながら、まさに【時間旅行】というのにふさわしい不思議な旅を感じていくのです。

関門時間旅行プロジェクト、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

関門プロデュース研究隊 隊長
富田 剛史 拝

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