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平家物語とベルサイユのばらは似てる!?

平家物語とベルサイユのばらは似てる!?

関門研 富田です。間もなく12月。門司港三宜楼での舞台 平家物語抄録「波の下の都」本番が迫ってきました。

「平家物語」って難しいんじゃないの・・・と先入観をお持ちの方、いえいえこの源平の戦いが無かったら、お能も歌舞伎も成り立たないほど元ネタになっているお話です。面白くないはずがありません。

なぜそんなにドラマチックなのか? ふと私は、「ベルサイユのばら」に似てるのかもなぁと思いました。

平家物語とベルばら…美しき貴族の儚く切ない終焉の物語

漫画やアニメ、宝塚の舞台でも一世風靡した「ベルサイユのばら」はフランス革命の時代の話です。もちろん国も時代も何もかも違うわけですが、「貴族の時代」の終わりという点では、共通点があるような気がします。

平家と源氏、源平合戦は双方とも武士の戦いのようですが、平家は天皇の護衛団ですから貴族の一員です。オスカルの近衛軍みたいな。

一方で、源氏も元々の出は貴族ですが、鎌倉殿に従えば郷士の土地を本領安堵したわけで、すっかり郷士の大将。一般市民軍のような立場です。

 

この、美しく気高い貴族の世界が、新勢力によって儚くも切なく散っていく感じが、後の戦国時代の武将同士の戦いとはだいぶ違っていると思いませんか?

そこには、男たちばかりじゃなく、姫君や女官、幼帝まで巻き込まれ、栄華の頂点から地獄絵巻までの運命の渦にほんろうされる・・・そのあたりが、まさに「ベルばら」とよく似ているドラマのベースになっています。

平家軍の大将 平知盛(とももり)は、実は女性だった・・・という設定にしたら、案外おもしろいかもしれません。あちこちからひどく怒られそうですが。

とはいえ、実際平家物語の知盛は、女性のような優しい心の持ち主として描かれています。壇ノ浦の2つ前の合戦「一ノ谷の戦い」で敵から逃げ、いざ船に乗ろうという時に最愛の息子を失います。大将である父を生かすために、勇敢な16歳の若武者 平知章(ともあきら)が犠牲になるのです。

その様子を見ながら船を出した父 知盛の気持ちを思えばたまりませんね〜。この場面は、様々な芝居で人気の「知章最期」の章です。

 

長くなったのでこのあたりでやめますが、「平家物語」のドラマチックなポイントは『美しき公達(きんだち)たちの運命の儚さ』にあって、戦国武将の男の駆け引きとぶつかり合いの世界とは少々違うということ。だからこんなに女性に人気があるんですね〜。

■■平家物語抄録「波の下の都」■■ 12/19お見逃しなく!

というわけで、平家物語の面白さの入口にうってつけな舞台、琵琶朗読劇 平家物語抄録『波の下の都』は、12/19(日)に、門司港の名建築 三宜楼の百畳間にて上演。

建礼門院 平徳子 の数奇な人生を語るのは、下関在住の女優 江原千花さん
琵琶と謡いで、800年前にタイムトリップさせるのは、筑前琵琶の髙木青鳳さん

13時〜と、16時〜の 2ステージ

13時の回は、会場のお席は残席少々。
16時の回はまだ余裕がございます。

今回は、16時の回をオンラインでLIVE中継もしますので全国からアクセスOK。
3日間の見逃し配信付です!

あの平家物語『波の下の都』を1日だけ再演します

16時の回が終わったら17時半ごろで、門司港がもっとも美しい光に包まれるクレプスキュールな夕暮れ時間。お散歩にお食事に、一年の締めくくりのいい時間が過ごせますよ。

皆さまのご予約、お待ちしております!

 

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About The Author

関門プロデュース研究隊隊長富田 剛史
関門エリアの魅力に惹かれ、しかしそのA級コンテンツが地元以外にあまりに知られていないのを何とかしたいと「関門プロデュース研究隊」を旗揚げした。日々、一風変わった仲間が増殖中。あなたもいかがです?

メディア・プロデューサー
クリエイティブ・ディレクター
トミタプロデュース(株) 代表取締役

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