提供:北九州市・下関市(関門地域行政連絡会議)

関門時間旅行 produce
平家物語日本芸能源流を感じる旅
〜波の下の都、神宿る舞台〜

宝生流 第20代宗家 宝生和英さん

おまたせしました。平家物語と関門の神事を追ったシーズン2「ツアー篇」の後編をお届けします。

旅人に、能楽の名門宝生流20代宗家宝生和英(かずふさ)さんをお迎えして、お能をはじめ日本の様々な芸能にストーリーを提供している「平家物語」と、日本の芸能の源流ともいえる「古式ゆかしい神事」を楽しむツアー。

初日の夜には、かつて九州一の料亭だった門司港「三宜楼(さんきろう)」の百畳間で、関門時間旅行オリジナルの琵琶朗読劇「波の下の都」をご用意し、取材などでお世話になった地元関係者にお声がけして”試演”を披露しました。今回はそんな三宜楼の夜からお届けします。

【1日目夜〜2日目の行程】

・門司港料亭文化の象徴「三宜楼(さんきろう)」|北九州市 門司港
初日の夜、三宜楼の百畳間でオリジナル琵琶朗読劇「波の下の都」を試演。
宝生宗家、この物語によって今回めぐる場所や物語の登場人物が改めてつながってきたとおっしゃっていただき、その後の食事会では地元のキーマンとも交流しながら門司港の夜はふけていきました。

筑前琵琶:高木青鳳さん、朗読:江原千花さん


・唐戸港〜海峡沿いプロムナード|下関市
2日目は朝、関門汽船の下関側の波止場、唐戸港に集合。ここから赤間神宮へ向かう道には海沿いに気持ちのいいプロムナードが続いています。

・赤間神宮周辺|下関市
安徳天皇を祀る赤間神宮。龍宮城をイメージした赤い「水天門」はいまや関門海峡のシンボルです。

【朝の舞い】毎朝8時半〜 赤間神宮の本殿で、独特のリズミカルなお囃子と巫女舞が奉納されています。普通に見ることができますが、観光のためではなく毎朝の神事なので誰もいなくても同じように舞われます。


【壇ノ浦漁師最後の木造船】壇ノ浦の漁師の先祖は平家の末裔という伝説があり、昔ながらの木造船最後の一隻が役割を終えたとき赤間神宮に奉納され、今もひっそりと展示されている現場を水野宮司自らご案内いただきました。

【安徳天皇阿弥陀寺陵】赤間神宮は元々安徳天皇の菩提を弔う阿弥陀寺というお寺でした。安徳天皇の木像を収めていたお堂の場所は「安徳天皇阿弥陀寺陵」として御陵になり、今もここだけは宮内庁の管轄となっていて一般非公開です。


【七盛塚と耳なし芳一堂】赤間神宮本殿の左奥に、阿弥陀寺時代からずっとある平家一門の塚があります。わきには高浜虚子の句碑もあります。
七盛塚に入る手前に小さなほこらに収められた耳なし芳一の木像があります。かなりのリアルさ・・・

【宝物殿】100円で拝見できる宝物殿には、教科書で見たようなお宝がたくさん!宝生宗家が今回最も興奮したイチオシスポットです。


・みもすそ川公園|下関市
眼の前は「壇ノ浦」。能や歌舞伎で創作されたイカリを背負った平知盛の像と、八艘飛びの源義経の像が並んでいます。幕末の長州藩の大砲レプリカもありちょっと面白いしかけがあります。(→ 番組の最後のオマケに収録)
公園のある場所の地名は「みもすそ川」といいますが、これは安徳帝を抱いて海に沈んだ二位の尼の辞世の句に詠まれた川の名前。「いまぞ知る 御裳川の 御流れ 波の下にも 都ありとは」 御裳川とは伊勢神宮の周囲を流れる五十鈴川の別名です。

・立石稲荷大明神|下関市
関門橋の真下にある小さなお稲荷さん。源平合戦前に平知盛が京都の伏見稲荷を勧進したものといわれます。
平家が屋島を追われて彦島に移ってから、源平合戦までには数ヶ月ありますから、安徳天皇や建礼門院徳子ほか平家の一門はきっと海峡沿いの神社を丁寧にお参りしたのではないでしょうか。

・関門トンネル人道|下関市/北九州市

みもすそ川公園付近から、対岸の門司港めかり地区まで海の下を歩いて渡れる人道トンネルがあります。実はここは国道2号線。ちゃんと国道のサインもあります。自転車は50円、徒歩なら無料。毎日ここをジョギングやウォーキングしている地元の人がたくさんいます。

・和布刈神社|北九州市 門司港
西暦200年頃に神功皇后(じんぐうこうごう)が創建、源平合戦のときには既に古い神社としてありました。関門海峡の一番狭い「早鞆ノ瀬戸(はやとものせと)」にあり、別名「早鞆明神」。船軍(ふないくさ)に慣れた平家はこの潮流の難所で源氏を迎え撃とうと、決戦前日に全軍をこのあたりに移動し夜には境内で宴を開いたと伝わります。
旧暦元旦にこの神社の前の潮が引き海底が現れて、神官が松明の火でわかめを刈る「和布刈神事」が1800年以上続いています。

・観潮テラス|北九州市 門司港
和布刈神社のすぐそばの、まさに潮を観るためのテラス。ここの前の海がまさに源平合戦の激戦の現場!早いだけではなく、潮がぶつかり合い、渦をまく、非常に複雑な表情を見せる海峡の魅力がこれほどよく分かるところはありません。ここで宝生宗家が謳ってくださいました。

・めかり公園第二展望台|北九州市 門司港

平知盛が門司城を築いたといわれる山の中腹に関門海峡が一望できる展望台があります。壁には源平合戦の名場面を描いた有田焼の特製レリーフが飾られています。義経や知盛、建礼門院徳子などがどこにいるか探してみましょう。
・甲宗八幡神社|北九州市 門司港

旅の最後は、平知盛のお墓もある門司港の甲宗八幡神社です。
知盛の墓のすぐ下には、立派な能舞台。火災で消失していた舞台を10年前に復興したものです。最後にこの舞台で、高木青鳳さんに琵琶の演奏をしていただきました。

みなさんもぜひ、平家物語ゆかりの地を訪ねに関門へ!

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